中国ブロック代表:岡山県立岡山操山高校
『時には星くずのように』(同校生徒創作)





星は何億光年も前の光を私たちに届けてくれる。決して同じものはなく、一つーつが違う色を持ち、輝いている。ぶつかり、離れて成長する星達から私達は何を感じるのか。
あなたは星が好きですか?

中国大会パンフレットより



【客席からのメッセージ・感想・劇評】 ○黒瀬貴之(広島県舟入高校・40代・男)
【舞台装置スケッチの所々に、次の文字が書かれています。「隅々までよく行き届いた装置、すばらしい!」。(上手のドアの上に)「パネルのゆれ、改善されてましたね」「狭い空間を効果的に作り出している」。(上手のドアに)「生徒指導室の割に、けっこう生徒が自由に出入り‐笑い‐」】
・キメの細かい照明(聞いていたような時間の変化は…よくわからなかったケド)
・必要最低限だけ入る音、チャイムの音量など絶妙でした。
・中国発表会でも拝見し感動した舞台でしたが、一段と熟成されていて、とてもよかったです。指摘されていた「御都合主義的」なところもそんなに感じませんでした。台本はそれほど変更してないと思うけど、演出・役者の意識の成せるワザでしょうか。
・キャストの個性がよく出ていて、描き分けも見事でした。作者が、それぞれの個性を最大限引き出すように作ったことがうかがえて、部員相互の理解と信頼が結実していたと思います。
・ひとつひとつのセリフがよく練られている――必要最低限のことしか言わない(余計な説明をしない)から、リアリティがあり、観客の想像力に訴えるものになっていて、ぐいぐい引き込まれていきます。その手腕は見事。勉強になりました。クラブとしてのレベルの高さが結晶化した、いい舞台でした。
改めて、中国で同じ舞台に立てたことを嬉しく思います。ありがとうございました。

○おかべあつし(岩手県・40代中盤・男)
 星を見ていると素直になれる・・・のかな。
 幕が開くと対照的な二人がいる。お互いを知っているのか知っていないのか、ちょっとした謎を観客に仕掛けながら話が展開していく作りに感心しました。親の再婚に対する娘たちのそれぞれの葛藤が細かく描かれ、繊細な感情表現の描き方に感心しました。
 ただ、これは、私が教職員なのだからかもしれませんが、あの二人の状況で同じ部屋で待たせるという、この劇の出発となる基本設定が受け入れられませんでした。教職員のデリカシーの無さの象徴でしょうか? どうすればあの二人が一緒の部屋に居る設定に持ち込むことができるか、観劇後考えていますが・・・。
 ラスト、安易な解決が無いのがいいと思いました。朝倉と早瀬がきっと成長していくだろう予感を、あの反省文を破くところに感じました。  照明のタッチ明かりがとても美しく、決してフルゲージではない地明かりの混ぜ方に、技術を感じます。
 大会運営と上演と、県大会、中国大会、全国大会と大変なことだと思います。一観客として心より感謝します。

○サッポロ(岡山県・10代後半・女)
この作品は県大会からずっと観たかったのですが、自分の高校の上演時間の関係で今まで観ることができず、今回初めて観ることができました。
 放課後のある教室という雰囲気が、ホリと静かな間を多く用いながらの演技でよく出ていたと思います。あらゆる面で対照的だった朝倉と早瀬、そして個性的な先生達…。ギャグをよいバランスで含んだシリアスな劇で、最後まで楽しむことができました。
 印象に残った台詞は、「親だって何も知らないわけじゃないんだ。ただ知らないふりをしているだけ」です。仕事ばかりで全然子どもにかまってくれない親でも、子どものことを心配しているんだ、ということに気付きました。朝倉の見えにくい不器用な優しさは、父親譲りなのかな、と思いました。グリコのキャラクターもとてもよくて,キャラ作りがしっかりしてるなぁと感じました。「グリコダッシュ」が大好きです。パネルを斜めに建てるのが、私の高校は上手から見て「コ」の字形に建てるので、新鮮でした。窓の外に樹を見せるというアイデアも凄くよかったです。



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