関東<北>ブロック代表:栃木県立宇都宮中央女子高等学校
『tu sitio』(同校生徒創作)


< br>






◇ものがたり
文化祭の後夜祭に行かない女子高生3人が,すたれた公園にやってくる。3人にはそれぞれ行かない理由があって‥‥‥

◇上演にあたって
こんにちは,脚本を担当した者です。
今回の劇は個人的にはちゃんと「これを伝えたい」というものはあるのですが,言葉だけでは上手く説明できないんです‥‥‥。ごめんなさい‥‥‥。たぶん,たぶん劇を見て頂ければわかって頂けると思います。なお、タイトル「tu sitio(トゥー シーティオ)」はスペイン語で「あなたの場所」という意味です。
初めての作品ということで多々お見苦しいところがあると思いますが,よろしくお願いします。

◇プロフィール
宇中女演劇部(自称中央座)は,1年生5人で天井が一部抜けている部室で活動しています。元気です。元気しかないです。えへへ‥‥。

【客席からのメッセージ・感想・劇評】

○黒瀬貴之(広島県・40代・男)
【舞台のスケッチ 真ん中にある時計に「もう少し奥か、上手にあった方がいいかな……」】
 素朴で、でもどこか都会的センスも感じさせる、ステキな舞台でしたね。
 夕方の公園にやってくる3人のサイトウさんは、それぞれに居場所を見失っている。その居場所は、他人から見れば、たわいないものかもしれない。自分すらきちんと意識していなかったようなものかも。そして、とてももろいもの。失って初めてわかるもの。
 3人がじゃれ合うような会話を交わしながら、かろうじて互いを支え合っている姿が、かわいくて切なく、胸に染みました。3人がそれぞれに個性的。特に齋藤綾子さん(たしかに画数多い)の(天然の)存在感! セリフもおもしろくて(「理由はいっぱいあると思いますよ」とか)よかったです。
 ラスト、彼女たちの何が変わり、どんな思いで公園を出て行ったのか、がわかりにくかったな、とも思いますが……うーん、それでもいいのかな? とにかく、ステキな舞台でした。
 一年生ばかりのクラブ、これからがますます楽しみです。ありがとうございました。

○おかべあつし(岩手県・40代中盤・男)
 文化祭の後夜祭を抜け出した三人のサイトウさんが「ある場所」で出会います。三人は同じ学校、同じ学年ではあるけれど、制服を着ていなければきっと気づかない三人……。共通しているのは、その場所に流れていた音楽の記憶……。
 ドラマなんか無くっていい、三人が素敵に存在していました。他愛のない会話のやりとりから三人のキャラクターが立ってきました。 壊れて止まったままの時計は、決まった時間に流れるはずの音楽を流すことなく、そこにある。その時計がまだ動いていた頃、夏の夕暮れ、時計から音楽が流れ出すと、どんなに明るくても子供たちは家へ帰っていった。まだまだ滑り台やブランコで遊んでいたいのに……。
 大きなドラマが展開する芝居ではない。三人のサイトウさんがもう聴くことはない、駐車場になってしまう公園に設置された止まったままの時計からの音楽を思い出すとき、彼女たちはまたそれぞれの場所に帰っていく。16歳の文化祭の後夜祭をさぼって出会った小さな思い出とともに……。
 間違っているかもしれませんが、私はそんな風に感じました。(オジサンである私の感性なんてそんなもんです‐笑‐)
 余談ですが、閉会式後、暗くなって街灯に照らされた倉敷の美観地区を歩きながら、宇中女の芝居を思い出し、ちょっと切なくなったりしました。確かに私は大切な時間を感じることができました。ありがとうございました。

○グレープフルーツ(岡山県・10代後半・男)
 役者がとても上手かったです。自然な演技で笑わせてもらったし、シリアスなシーンには見入りました。セットも、正直すべり台に乗れるとは思ってませんでした。すべり台を使った演出やゴミ占いはとても面白いと思いました。ぼくの中で一番好きなのは、次郎さんでしたけど。
 全員一年生というのにも驚きです。部員全員、能力高いなぁと思いました。これからも色々な芝居をしていくと思います。全ての芝居に全力でがんばって下さい。ぼくらも負けないようにがんばります。全国大会、本当にお疲れさまでした。
 機会があれば、宇都宮のギョウザを食べたいです。


もどる